純血

ヒトの場合、生殖に要する時間も、実験に対する制約も多いのですが,、動物によっては生殖も速く、実験に対する制約もヒトより少ない場合があります。

これは、魚の研究者から聞いた純潔種の話です。魚の場合、卵を食べてしまう親も多いので、卵と親を別々の水槽に移すことは、親子を引き離す非人道的な実験ではありません。卵を産むたびに水槽を移し替えていくことにより、世代の完全な分離が可能です。また大きくなって過密になるといろいろとトラブルがあるそうなので、育って大きくなると水槽を分けるそうです。これも、兄弟を2つの水槽に分けて引き離して育てるなど非人道的だと、動物愛護団体に訴えられたなどという話を聞いたことがないので、どの魚をどっちの水槽にするかは魚に聞くことなく決めてしまいます。この時、外観を揃えた組と多彩な外観の組に分けます。さて、魚の場合近親交配を禁ずる法もないのでこのまま水槽ごとに殖えてもらいます。外観を揃えた組は代を重ねると、突然変異した個体を除き一定の形質を保つようになります。これが純血種です。

純血は遺伝子が揃っているので、雑種のような近親交配による遺伝リスクは存在しません。逆に言えば近親婚で遺伝上のトラブルを生じて新たな血筋を....という血統は、まぎれもない雑種の血統であるわけです。

 ヒトのばあい、王族と呼ばれるグループには第3者による観察記録が多く残っており、婚姻関係をたどり血統図を作成し、病気の記録や性格の記録と照合する研究もおこなわれています。